2010年に改正貸金業法が施行されたことにより、借入総額は年収の3分の1以内に制限されるようになっています。
これは総量規制というルールによるもので、5社以上の借入を有する多重債務者は約230万人から約18万人にまで減少しています。
しかし、一方では借金を背負った状態での新規借入は難しくなったために、資金繰りに苦しんでいる人も増加しているのです。
この様な状況で注意が必要なのは、違法業者を利用しないということです。
これは、出資法に違反している業者のことで、闇金融とも呼ばれており既に社会問題となっています。
この組織は、暴利をむさぼるということのみを目的としており、法律を守るという意識は全くありません。
大概の闇金というのは、金銭的に二進も三進もいかなくなっている方にはまるで救いのような甘い売り文句で、ありえない好条件での貸付を謳っています。
よくあるのが、無審査で与信を問わない、多重債務者でも確実融資、金利・利息なし、といったものです。
借入側の与信を問わずに貸し付けるのも、すでに債務があるのに過剰な貸付をするのも、法律で貸付側は規制されています。
加えて、金利や利息などがなくて、貸金業を行ったところでどうやって利益を上げるのか甚だ疑問でしょう。
つまり、ありえない条件を謳っているような業者は、はなからまともな貸付をする事など微塵も考えていないのです。
昨今は、闇金と分かっていながら違法業者を利用する方もいるようですが、その場合には犯罪の片棒を担いでいるといっても過言ではないでしょう。
実際、闇金などの違法業者が法外で消費者から巻き上げた金銭は、犯罪行為を助長する資金にされることも少なくありません。
正規金融会社は貸金業法を遵守しており違法な取り立ては一切ありません!
例えば、正規業者に対しては貸金業法により、暴力的な態度を取ることや乱暴な言葉により怒鳴りつけること、多人数で押し掛けること、午後9時から午前8時まで電話での連絡や自宅への訪問すること等は禁止されています。
これらの違法な取り立てを行った業者に対しては、2年以上の懲役又は300万円以下の罰金と法律で決まっています。
しかし、闇金融の場合は夜間に何十回も電話を掛けたり、夜中に自宅に押し掛けてくるケースも珍しくはありません。
また、勤務先に取り立ての電話を掛けたり、子供が通う学校で待ち伏せをするというケースも報告されています。
これらは全て嫌がらせであり、周囲に闇金を利用していることを知らせることが目的なのです。
また、10日で3割や5割という凄まじい金利を設定しており、返済日になると急に連絡がつかなくなります。
これはわざと連絡を付かないようにして、いつまでたっても完済することは出来ず、雪だるまのように利息が加算されるようにしているのです。
この様な相手にまともに向き合っても損失が増加するだけなので、専門家に依頼するということが最善の方法となります。
ただし、弁護士や司法書士等の法律の専門家の中には、闇金融に関する相談は受けつけないという人も少なくはありませんので、闇金融の相談に応じている法律事務所を見つけ出さなくてはなりません。
闇金か正規業者か見分ける方法とは?
闇金融を見分ける方法は幾つかありますが、連絡先に携帯電話の番号を使用している場合は100%闇金融です。
これは、貸金業登録をする際には、固定電話を設置することが条件であり、広告にもその番号を掲載しなくてはならないと法律により定められているからです。
携帯電話で受付けをしている時点で、貸金業登録をしていない違法業者であることが確定します。
貸金業登録は、貸金業法の第3条で規定されており、貸金業を営む場合には必ず登録することが求められます。
登録した時にもらえるのが貸金業登録番号で、分かりやすい所に掲示するように法律で定められており、広告やホームページに記載しなければならないことになっています。
闇金融は、嘘の登録番号を記載している場合もあるので、番号の有無だけで見抜くのは困難です。
ただし、金融庁のホームページでは、登録番号を検索できるサービスが用意されており、正規の登録業者か否かがすぐにわかるようになっています。
聞いたことがない業者からお金を借りる際には、まずは金融庁のホームページで番号を調べることから始めましょう。
さらに、貸金業界の自主規制機関である日本貸金業協会の会員であれば、闇金融である可能性はかなり低くなります。
貸金業法を会員業者が遵守するために指導しており、違反した業者はホームページで公表しています。
日本貸金業協会のホームページでは、闇金融を検索できるサービスを用意しており、業者名・電話番号・住所・FAX番号の、いずれかの項目の一部の言葉だけでの検索が可能になっています。
特に、名前も聞いたことのないような中小消費者金融や街金は高確率で闇金である場合が多いです。
基本的に、自身が見聞きしたことのない会社・組織から借り入れをすることは考えない方が良いでしょう。
どうしてもよく知らない業者を利用したい場合は、必ず正規の貸金業者か上記の検索などを使って確認するようにしてください。
中には、正規業者のあたかも子会社やグループ会社を装った、微妙に似たような名前で営業している闇金もいますから、そういったものも確認しましょう。
闇金とサラ金は別物!?
意外と勘違いしている方が多いのですが…サラ金はヤミ金融でする借金のことではありません。
下手をすると、借金はすべて等しくサラ金だ!と思っている方もいるかもしれませんが、サラ金とはサラリーマン金融の略称であり、サラリーマン金融とは一昔前の消費者金融の俗称です。
現在では、サラ金という呼称は死語になりつつあります。消費者金融が一般的です。
では何故そのような勘違いが起こってしまったかといえば、貸金業法改正前の消費者金融がまだサラ金と言われていた頃、貸金業の運営の仕方に問題があったからです。
実は、貸金業について法律が整備されたのはまだ最近のことで、以前は法律に触れるか触れないかのギリギリのところで、貸金業者に利益が大きく出る運営の仕方が出来ていました。
その頃の遺物の一端が、現在もよく聞かれるグレーゾーン金利による過払い請求です。
その時代には、わりと業界で名を馳せていたサラ金での借り入れでも、契約者によっては(基本的には返済が滞っている人)強引な返済を迫られたりする事があったようで、そのイメージが現代でもいわれる闇金と混同されたことからサラ金=闇金という誤った認識が広がってしまったのです。
ちなみに、サラ金全盛期にそのように借り入れ利用者へ強行を働いていた「当時の法律では正当だった業者」は法改正後、軒並み立ち行かなくなり金融業界から姿を消しました。
その為、いま大手消費者金融として貸付をしているところは、改正貸金業法に則った正規金融会社なので安心して契約していただけます。
貸金業法の整備がされた現代でも、法の目をかいくぐって異常な高金利で貸付をしたり、融資詐欺などを働く闇金はゼロにはなりません。
そういう違法業者もいるという情報や正しい金融の知識を持ち、最低限の自衛をして借り入れ先を選ぶというのもローン契約をするうえで大切なことといえます。