おまとめローンとは、複数のローンを1つにまとめるローンのことであり、おまとめすることによって、多くのメリットが出てきます。
例として、下記のように4社のローン会社から合計200万円借りていた人の場合を想定してみます。
【おまとめローン前】
1.消費者金融P 借入額50万円金利17.8%
2.消費者金融A 借入額50万円金利18.0%
3.銀行カードローンB 借入額30万円 金利14.6%
4.銀行カードローンR 借入額70万円 金利18.0%
この場合、4社から合計200万円借りていますが、金利は銀行カードローンB以外はほとんどが18%近くの金利になっています。1ヶ月(30日間利用)の利息は、全部で28,668円です。
【おまとめローン前】
消費者金融P 7,315円
消費者金融A 7,397円
銀行カードローンB 3,600円
銀行カードローンR 10,356円
合計 28,668円
これを、おまとめ可能な銀行カードローンで一本化した場合を計算してみます。銀行カードローンは限度額によって金利が決められていますが200万円未満だと、金利12.0%~13.0%程度です。今回は金利12.8%で計算してみます。
200万円を銀行の金利12.8%でおまとめローンした場合、1ヶ月(30日間利用)の金利は、200万 × 0.128 ÷ 365 × 30= 21,041円となり、おまとめローンする前よりも利息が-7,627円も低くなります。
【銀行おまとめローン後の利息】
200万 × 0.128 ÷ 365 × 30= 21,041円 差額-7,627円
おまとめローンのメリットは利息が引き下がるだけではなく、毎月の返済金額も金利が下がることによって、引き下がることです。上記の例の場合毎月の返済金額合計は52,000円です。
【おまとめローン前】
1.消費者金融P 毎月13,000円
2.消費者金融A 毎月15,000円
3.銀行カードローンB 毎月6,000円
4.銀行カードローンR 毎月18,000円
合計 52,000円
銀行カードローンで200万円で一本化した場合、毎月の最低返済金額は平均35,000円なので、月々の返済も17,000円引き下がります。月の返済が17,000円引き下がるのは、かなり大きくないですか?
特に負債が増えて毎月の返済が苦しくなってきている人にとっては、17,000円という数字は想像以上に負担が軽くなるのです。
【銀行おまとめローン後の返済額】
150万円超200万円以下の毎月の返済金額は35,000円 おまとめ前よりも-17,000円
これがおまとめローン一本化した場合の最大のメリットであり、おまとめローンが借入(借金)を減らす良い方法だと言われる理由です。実際に数字で表してみると分かり易いと思います。
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銀行おまとめローンはなぜ人気なのか?メリットは?
おまとめローン自体が、非常にメリットのあるローンだということは分かったと思いますが、なぜ銀行カードローンのおまとめローンが人気なのか?
おまとめローンをする場合は、絶対的に消費者金融よりも銀行カードローンの方がお得です。それは設定される金利が銀行と消費者金融では大きく違うからです。
消費者金融でもおまとめローンを行っているところはあります。大手で言えばプロミスやアコム、アイフルなどはおまとめ専用ローンとして商品もあるほどです。しかし、これらのおまとめローンは金利が銀行よりも高くなっており、あまり利息軽減のメリットの恩恵を受けにくくなっています。
仮にプロミスでおまとめローンをしたとしても200万円の場合、金利は15%もしくは、13%~14%程度になると思われます。確かに15%になるだけでも利息は下がるのですが、利息制限法の上限金利は100万円以上は金利15%になっていることから、15%で借りたとしても、その金利は法律上の上限金利になっているのです。
そのことを考えると、100万円以上のおまとめローンの場合、金利は最低でも15%未満にしたいところです。銀行カードローンでおまとめローンをしているところはいろいろありますが、融資条件に必ず銀行口座開設の手続きが必要となり、審査に手間がかかってしまう点があります。
銀行のおまとめローンが有名なのは以下の理由が大きいでしょう。
【銀行おまとめローンが人気の理由】
1.おまとめローン後も限度額内で借入が可能
2.住宅ローンを組んでいると金利引下げなどの特典が付く場合がある
3.おまとめローン・借り換えローンとしての利用もOK
4.限度額によって金利が決まっており、その限度額の最低金利で借りられる可能性も有
消費者金融のおまとめローンは収入証明書が絶対的に必要?
消費者金融の場合になると、金額には関係なく、おまとめローンの審査をする場合は必ず収入証明書が必要になります。
これは貸金業法で50万円を超える貸付または、他の貸金業者と合わせ100万円を超える場合は収入証明書が必要となっているのですが、仮にこれに当てはまらなくても消費者金融のおまとめローンでは収入証明書が必要になると思っておいた方がよいです。
消費者金融の場合、昔からおまとめローンの商品を出しており、まだ金利が現行金利に下がる前からおまとめを行っていました。おまとめローンの審査時には簡易的な審査ではなく、慎重な審査になるので給料明細書・源泉徴収票、個人事業主の人は確定申告書の写しが審査では必ず求められる書類でした。
その流れが今でもあるため、収入証明書は必須の書類と言えます。
銀行の場合も、一定額以上の借り入れの場合には、収入証明書類が必要となってきますが、消費者金融よりもその額が高い設定となっています。
銀行カードローンでは、限度額設定100万~300万円以上で収入証明書が必要となりますが、それ以下の額でも提出が求められる場合もあります。
基本的に、おまとめローンは借入額が高額となるので、消費者金融にしろ銀行にしろ、収入証明書を用意しておいた方が良いといえます。
銀行カードローンがおまとめローンで人気の理由は、このようにまず、一定額以下は提出書類が少なくおまとめローン審査が可能であること、そしておまとめの審査であっても、最短即日で結果が出ることが口コミ評判で支持されているのです。
銀行もおまとめローンとして融資をしたいと思っている?
そして一番肝心な部分なのですが、銀行自体も、おまとめローンとしての融資はしたいと思っているのが最大のポイントとなります。おまとめローンは貸付金額が高額になることから、カードローン会社によってはあまり融資をしたくないと思っているところもあります。
それは、もし貸倒になった場合に、損失金額が大きいからです。現に三菱東京UFJ銀行はおまとめローンとしての利用は禁止になっています。しかし、他の銀行カードローンはむしろ積極的におまとめローンでの融資をしたいと考えており、特に消費者金融からのおまとめローンには多くの人が利用しています。
これは、冒頭の例で書いたように、今返済が苦しい人でも、おまとめローンをすることによって、毎月の返済金額が大きく下がります。このままでは返済不能になるケースでもおまとめローンをすることによって、再度返済計画が立ち直り、借金返済まで行ける人が意外に多くいるのです。
銀行は正直に言えば、消費者金融よりもカードローンとしての知名度は低いかもしれません。でも、おまとめローンとして上手く他社の利用者を引き込むことによって、融資残高を拡大する狙いもあると思われます。
銀行カードローンのおまとめローンのデメリットは?
ここまで銀行のおまとめローンについてメリットを書いてきました。おまとめローンを利用する人にとってメリットも気になることですが、本当に知りたいのはデメリットの部分だと思います。
銀行おまとめローンのデメリットは、どこのおまとめローンにも言えることですが、毎月の返済金額を引き下げることによって、完済するまでの総返済金額が増えることがある点です。
一番上手におまとめローンを利用する方法は、金利が下がったとしても、おまとめする前の月の返済金額をそのまま支払いしていくことです。金利が下がることは毎月発生する利息が少なくなります。そのため、同じ支払金額で返済をすれば元金充当額はさらに大きくなり、借入残高は目に見えて減っていくでしょう。
しかし、金利を下げて、毎月の返済金額も下げることによって、元金の減りが少なくなり、結果としておまとめローンをする前よりも総返済金額が上がってしまうパターンもあるのです。
返済ができなくなり破綻するよりは、毎月の支払を少なくして余裕をもって完済できればOKと考えるのはその通りなのですが、目先の返済金額だけではなく、完済に至るまでの総返済金額も計算しておまとめローンを組むことができたなら、完璧と言えるでしょう。