銀行カードローンの保証会社に消費者金融が多い理由


カードローンの特徴は3つあり、1つ目はいちいちその都度業者に借入の申込をしなくても、一定の金額の範囲内なら「追加借入が自由」ということ、2つ目は借入金をレジャーに使おうが生活費に回そうが何に使おうと「使用用途が自由」ということ、そして、3つ目が申し込む上で「無担保・無保証人」であるということです。この3つの特徴はすべての貸金業者に共通しています。

ところが、銀行のカードローンは都市銀行であれ、ネット専業銀行であれ、地方銀行であれ、すべてに「保証会社の保証を得られること」という条件が付いています。

つまり、自分で保証人を立てる必要はないが、実質上は保証人が必要ということです。ただ、保証会社がいるからといって、保証会社と何らかの手続きをする必要は全くありません。契約の窓口はすべて銀行に一本化されており、保証料も要りません。

銀行は少額融資の経験が少なく消費者金融の審査に頼っている

男性指さしイラスト保証会社の主な役割は「審査」と「債権の保全」です。銀行カードローンでも借入を申し込む時には審査を受けることになりますが、その審査を行っているのは銀行自身ではなく、保証会社です

また、利用者が返済を滞るようになると、利用者に代わって保証会社が借入残高を銀行に返済します(代位弁済)。実は、どの銀行カードローンでも保証会社は商売敵でもある消費者金融が担っています。

融資のプロである銀行が消費者金融に審査を委託しているのは、消費者に対する少額融資の経験が少ないからです。銀行の融資は基本的に不動産や定期預金などの担保を取ることを条件に、担保の価値の範囲内で資金を貸し付けています。

しかし、カードローンは無担保であるため、利用者の信用に対して貸出をすることになり、信用調査の技術や債権回収の能力が重要になりますが、銀行にはそのノウハウがありません。一方、消費者金融は無担保融資に長年の実績があることから必要なシステムが構築されています。だからこそ、銀行は消費者金融に審査業務を委託しています。

借入の信用情報を把握するためにも消費者金融が必要になっている

加えて、全消費者金融が加盟している指定信用情報機関の存在も影響しています。消費者個人に対する融資を行う場合は利用者の信用情報の把握が絶対に欠かせません。借金がいくらあるのかわからない、延滞しているかもしれない利用者にお金を貸すなど無謀でしかありません。

その点、指定信用情報機関にはすべての利用者の信用情報が一元的に管理されているため、指定信用情報機関に照会すれば利用者の借入状況や事故記録など、すべての情報が瞬時に確認できます。

貸金業者はすべて指定信用情報機関に加盟していますが、銀行は金融機関であるため、指定信用情報機関に加盟することができません。従って、どうしても消費者金融と提携するしか利用者の信用情報を得る手立てが無いのです。

このように、銀行カードローンの保証会社に消費者金融がなっていることはそれなりに理由があることなのです。しかしながら、保証会社の消費者金融は銀行のグループ会社になっている場合がほとんどで、三菱東京UFJ銀行カードローンバンクイックの保証会社は、三菱UFJフィナンシャルグループのアコム、三井住友銀行はSMBCグループのSMBCコンシューマーファイナンスのプロミスなどとなっています。

保証会社って損な役回りだけどメリットはあるのか?

疑問の男性イラスト保証会社である消費者金融は保証する見返りに銀行から保証料を取っています。万が一の時は保証会社が銀行へ支払い(代位弁済)をして、保証会社が回収をすることから保証業務はデメリットの部分が多いように感じますが、銀行が融資した顧客全てが債務不履行になる訳ではなく、代位弁済に至るのは一部分だけです。

そして、銀行カードローンに申込みしている客層は消費者金融に比べて借入額も少なく、勤務先や年収などの内容も良いことがほとんどです。そのことから消費者金融で多重債務になっている人の回収よりも銀行カードローンで代位弁済した人の回収の方がしやすいケースが多いのです。

このことから破産は除外として、延滞や債務整理等で回収ができるのならば、保証料収入がある保証業務は非常にメリットがあることなのです。

銀行カードローンの保証会社一覧を下記に掲載します。見ると分かるようにアコムは多くの銀行カードローンの保証会社になっているのです。

銀行カードローン保証サービス
三菱東京UFJ銀行アコム
三井住友銀行プロミス
みずほ銀行オリコ
オリックス銀行オリックス・クレジット(株)または新生フィナンシャル(株)
楽天銀行楽天カードまたはセディナ
ソニー銀行アコム
セブン銀行アコム
りそな銀行オリックス・クレジット(株)
イオン銀行イオンクレジットサービスまたはオリックス・クレジット(株)