カードローンの利用における会員規約・利用者の義務とは?


カードローンの契約を結んだら、「会員規約」を守らなければなりませんが、熟読している人がほとんどいないのが実状です。

会員規約における利用者にとって重要な点としては以下のことなどがあります。

「カードの所有権は当社に属するものとします」、「カードは会員本人以外使用することはできません。また、他人に譲渡または貸与することはできません」、「規約に違反してカードを他人に使用された場合の損害は会員の負担となります」

男性指さしイラストカードは業者から借りているだけであり、勝手に他人(家族含む)に貸すことはできません。規約に違反したことで受けた損害は自己負担になります。

これは当たり前のことです。カードを貸す=お金を引き出されることになりますので、後々トラブルに発展します。

もし仮にカードを渡して勝手に引き出し(借入)された場合、もちろんカードを貸した本人の責任になりますので、他の人が使ったとしても支払い責任は本人にあります。(故意に貸した場合。)

最近は、アルバイト融資詐欺という名義貸しを利用した卑劣な違法行為もあるので、間違っても自身で利用する以外の目的でローン契約、いわゆる金銭消費貸借契約はしないようにしましょう。

カードローンの期限の利益喪失条項は必ず目を通しましょう!

「会員が次のいずれかに該当する場合は債務について期限の利益を失い、残債務全額をただちに支払うものとします」、「住所、勤務先変更の届出を怠るなど、会員の責めに帰すべき事由によって当社に会員の所在が不明となったとき」、「支払期日に弁済金の支払を遅滞し、当社から20日以上の相当な期間を定めてその支払を書面で催告されたにもかかわらず、その期間内に支払わなかったとき」、「差押や仮処分の申立を受けた時、破産申立または民事再生の申立があったとき」、「当社との取引を継続することが不適切であると当社が判断したとき」

借入金の返済を一定期間以上行わない時、または、行えなくなった時は分割払いという期限の利益が消滅し、借入残高を一括で返済しなければならなくなります

カードローンの契約で期限の利益喪失条項は重要な部分になります。

この例の場合は、支払期日に弁済金の支払を遅滞し、当社から20日以上の相当な期間を定めてその支払を書面で催告されたにもかかわらず、その期間内に支払わなかったときに期限の利益を喪失すると書いてありますが、昔の消費者金融の場合、1日でも延滞したら期限の利益を喪失すると多くの会社が書いてありました。

期限の利益
貸付側との契約で決められた期限(返済日)まで、借り入れ側が返済をしなくても良いとされる権利。

期限の利益の喪失
民法第137条に基づいて、借り入れ側の返済が滞った場合に契約解約まで本来あるはずの利益(返済までの猶予)を失うこと。貸付側は、期限の利益喪失後から借り入れ側に元金と利息を一括請求することが出来る。

 

実際に1日遅れただけで一括請求されることはありませんが、期限の利益喪失は延滞金が発生する重要な起点となりますので、裁判等まで発展することを考えた場合、業者としては1日遅れた時点で期限の利益を喪失すると契約書に記載していた方が都合が良いのです。

面白いことに、過払い返還請求の時にはこれが逆転します。

過払い返還請求は立場が逆転するのですが、期限の利益を早めに喪失した方が逆に返還利息が増えるパターンもあるのです。

この場合業者は1日延滞していたとしても、一括請求を行っていないことから期限の利益は喪失していないと主張します。

立場によって変わってくるのですが、それだけ「期限の利益の喪失」というのはカードローンにとってとても重要なことなのです。

信用低下したと見なされた場合はカードの利用を止められます

「当社は会員が次のいずれかに該当する場合には、会員に通知することなくカードの利用を停止し、会員資格を喪失させることができるものとします」、「申込書の記載事項等について、会員が当社に虚偽の申告をしたことが判明したとき」、「会員が本規約に違反したとき」、「会員の信用状況に重大な変化が生じたとき、またはカードの利用状況が適当でないと当社が判断したとき」、「当社との取引を継続することが不適切であると当社が判断したとき」

カードローンの契約の時に虚偽の申告をした時や、他社の返済金を延滞している時、借入金が不適切に増した時などはカードの利用が停止されたり、契約を解除されたりします

カードローンの会員規約の最も注意が必要なのは、この部分です。

この条項では、カードローン会社のさじ加減によって、いつでもカード利用を停止することができると定めています。

特に、会員の信用状況に重大な変化が生じたとき、またはカードの利用状況が適切ではないと当社が判断したとき。

これは、例えば勤務先が変わった場合や、住所を変更したのに報告しなかった場合(郵便物が転居先不明で戻ってきたなど)も該当する可能性があるのです。

一般的に会社や住所が変わった場合、郵便局ぐらいしか転居したことを報告しないと思いますが、カードローン会社は無担保・無保証の信用貸しなので、会社や住所の変更は絶対的に知りたい情報なのです。

もし、自宅に郵送した手紙が転居先不明で戻ってきた場合、住所不明になってしまうので、カードの利用を止められる可能性が高くなります。

きちんと引っ越ししたら電話や会員専用サイトから住所変更の手続きをすることが大切です。

加えて、登録している携帯電話や自宅固定電話の番号などの連絡先も変更があった場合はなるべく早く変更をしましょう。

口コミなどでよく見かける、急に追加での借り入れが出来なくなった、限度額が下がった…というものの原因の大半は、申し込み時とは個人情報に変更があったのにローン利用者がそれを申告しなかったことによるものです。

極端な話が、利用者に連絡がつかない=貸し倒れリスクというようにみなされる為に追加融資が受けられなくなったりするのです。

また、会社に関しては、変更したことは伝えても問題ありませんが、無職になった場合は正直言わない方が良いかもしれません。なぜなら会社を退職して今現在無職(求職中)と連絡したら、即カードは利用停止になります。

これは言わずとも分かりますが、無職で無収入の人にお金を貸す人などいません。

会社が決まって働きだぜばまたカード利用ができる可能性はありますが、無職とカードローン会社が知った時点で利用は停止されると思っておいてください。

ローン契約はどこの金融機関でするにしても、安定した収入があることが利用条件として大前提です。

「会員は当社の都合により、当社が本規約に基づく債権を他の金融機関等に譲渡することを承諾します」

借入金の返済状況によっては、業者は貸付債権を回収専門業者に売却することがあります。その場合、利用者は回収専門業者に返済をすることになります。

遅延損害金の計算方法は遅れた日数分だけの計算です!

「約定返済金額の支払を遅滞したとき等期限の利益を喪失したときは、当社所定の遅延損害金を支払うものとします」

返済が遅れると返済額の他に、遅延損害金を支払わなければなりません。支払いが遅れる人の言い訳に、遅延損害金を払うから遅れてもいいだろ!と言うケースがあるのですが、これは間違いです。

確かに、借り入れ側に期限の利益があるうちは、貸付側もその権利を借り入れ側に認める事で、金利(利息)という形の利益を得られるWin-Winの関係が正常に成り立っているといえます。

しかし、借り入れ側が返済を滞らせた時点で、期限の利益の喪失と共に本来の金利とは別に、貸付側に不利益をもたらした罰金として遅延損害金がかかってくるのです。

遅延損害金は支払いがされるまでの損害利息であって、これを払ったからと言って支払いを延滞しても良いとは契約書には書いてありません。

ちなみに、遅延損害金はほとんどのカードローンでは年20%となっています。

年20%と聞くと非常に高いように感じますが、カードローンの利息は日割り計算なので、支払いが遅れていなくても100万円未満ならプロミスは17.8%、アコムやSMBCモビットは18%の利息が計算されます。

仮に10日間延滞した場合、遅れた10日間だけは18%ではなく、20%計算になると言う意味です。

遅れなくても18%の利息は取られるので、2%だけ延滞利息として高くなるという意味になります。

最初から利用日数が全て20%計算になる訳ではないので、勘違いしないようにしましょう。

時に、返済の遅れが数日の場合は遅延、2ヶ月以上は延滞というように厳密には遅延と延滞は程度で区別されていますが、どちらの場合も信用情報に記録されるのは変わりません。

ただし、延滞の方は金融事故扱いになる可能性が高いので、延滞後のローン契約や増枠申請はまず審査に通らなくなります。

延滞など返済に関わる信用情報の保管期間は最高5年ですから、その間の新規契約、増枠が出来なくなります。